③フリースタイル出産とは?産婦さんが楽という理由だけではありません。
前回は、出産の姿勢は何でもいいよ、でも仰向けの姿勢は赤ちゃんの心音が落ちたりするので、気をつけた方がいいですよというお話しでした。
今回は、フリースタイル出産の一番の利点は何か??ということです。
やはり、お産を進める方法だということです。
前にも少し触れましたが、産道の向きと重力のベクトルが重なった時は、陣痛が強くなります!
陣痛が弱いときは、歩いたり、上体を起こした姿勢をとった方がいい陣痛が強くなりやすいです。
お産には、分娩の4要素というのがあります。
1.産道 (産婦さんの体形や骨盤形態、子宮の開き具合など)
2.胎児・およびその付属物 (赤ちゃんの体重や向き、羊水や胎盤、へその緒の状態など)
3.娩出力 (陣痛の状態やいきむ力)
4.母体精神 (産婦さんが不安になると陣痛が遠のくので、リラックスできているか、精神状態)
もし、なかなかいい陣痛にならない時に、分娩の4要素のどこに原因があるか考えていきます。
よくあるのは、赤ちゃんの向きが整っていないといい陣痛にはなりません。
いい陣痛とは、本当に規則的で、陣痛の強さも同じなんです。
しかし、効果的でない、不規則な陣痛は、短い時もあったり長い時もあったり、痛みが強かったり弱かったり‥‥‥。
それを整えるのが、フリースタイル出産のメリットでもあります。
出産の時は、赤ちゃんの背中がお母さんのお腹側に回ってこないと、赤ちゃんは骨盤の中を下がってこれません。
お母さんの背骨と赤ちゃんの背骨、それぞれの背骨が外側になる感じです。
お母さんが四つ這いの姿勢をとると、重力によって、赤ちゃんの背中がお母さんのお腹側に回ってきやすくなります。
回ってきやすいように、骨盤を揺らしたりするのが効果的です。
妊婦さんが床掃除をするというのも、こういった理由からになります。
それと、赤ちゃんはできるだけ頭を小さくして生まれてこようとして、顎を引いて生まれてくるのですが、それができてなかったり、少し骨盤の中の向きが整っていないと、進みません。
そのため、同じ姿勢ばかりとるのではなく、姿勢は変えていったほうがよいです。
その方が、赤ちゃんの向きに変化が起こりやすく、整いやすいからです。
また、骨盤に進入しやすい角度は、60度と言われていて、前屈みの姿勢の方がいいです。
人によって、骨盤も違いますし、赤ちゃんの大きさも違いますし、胎盤の付着部位も違いますが、赤ちゃんが骨盤にグッとはまったら、一気にお産は進みます。
陣痛が弱いと微弱陣痛だということで、促進剤を使用したりする施設が多くあると思います。
でも、なぜいい陣痛がこないのかということを考えて、いろいろな姿勢を試してもらえればいいと思います。
もちろん促進剤が必要な場合もありますが、女性には本来産む力が備わっています。
それを、発揮できるように、助産師はサポートしていくべきだと思いますし、産婦さんも医療者まかせにするのではなく、アクティブに体を動かして、お産に向けて体作りと知識を持っていてもらいたいと思います。
すべての女性が、いいお産を体験してもらい、育児にむけて良いスタートをきってもらいたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。