助産師のほんわかブログ

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ガスケアプローチって何?フランスでは、当たり前です!

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ガスケアプローチという言葉を聞いたことは、ありますか?

 

フランス人の女医のベルナデット・ド・ガスケ医師によって確立された姿勢と呼吸からグローバルにペリネ(骨盤底筋群)に働きかける身体的アプローチです。

ペリネとは、骨盤の底にあるハンモックのような筋肉です。

 

女性は尿道・膣・肛門のあ3つの穴が開いているので、腹圧が高まり、過度の圧力が高まると、ペリネにダメージが加わり、尿漏れ、ガス・便漏れ、子宮脱、女性性機能への悪影響がでます。

 

出産経験のない若い女性トップアスリートの調査では、競技種目によりますが60%が尿漏れに悩んでいることがわかりました。

特にトランポリンは、選手の80%に尿漏れがあり、そのうち14%が便やガスなどの肛門失禁を併発していました。

平均年齢は、14歳です。

 

また、日本の女性も30代前半までに、3人に一人が尿漏れを発症していると言われています。

 

 特に、妊娠・出産によって、ペリネは交通事故に遭遇したようなダメージを受けます。

そのため、フランスでは、産後6週間から1回1時間程度のペリネのリハビリを専門とする運動療法士や助産師のところに行き、体操と整体とマッサージを組み合わせたようなプログラムを10回受けることができます。

そのリハビリ費用は、全て保健適応になっています。

 

ガスケアプローチは、生理的な腹式呼吸を行えるように姿勢を整えることから始まります。

そして、ペリネを保護するための日常生活の姿勢などを意識していくものです。

 

骨盤底筋群を鍛える「キーゲル体操」は、ご存知でしょうか?

肛門を締めることによって、骨盤底の筋肉も一緒に鍛えることができるという方法です。

昔から、産褥体操として推奨されてきたものです。

 

ガスケアプローチとの違いは、キーゲル体操は、表層に近い「恥骨直腸筋」だけを収縮させます。

奥で臓器を支えている筋肉に働きかけるためには、姿勢と呼吸を考慮したアプローチが不可欠で、日常的に腹圧をかけない動作を心がけることも大切です。

 

日本では、まだ取り入れている施設は、少ないかもしれませんが、『ガスケアプローチ』は、これからどんどん広がっていくと思われます。

 

それと、産前産後ケアで「ママリュクス」という整体師さんの団体があります。

一度その整体師さんとお話しさせていただいたことがあるのですが、妊娠・出産についてよく勉強されていて、骨盤底筋トレーニングプログラムを組んでいます。

 

産後は、自分のことより、赤ちゃん優先の生活になり、体も心も疲れてしまいます。

サポートを上手に受け、産後の体も大切にした生活を送ってもらいたいです。

 

理論にもとづくペリネのケア: 適切な理解と実践で骨盤底筋群を守る! (女性の美と健康をささえるGasquetアプローチ)

理論にもとづくペリネのケア: 適切な理解と実践で骨盤底筋群を守る! (女性の美と健康をささえるGasquetアプローチ)

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。