助産師のほんわかブログ

日々感じていることや考え方、仕事のことなど、前向きになって、ほんわかできるようなブログにしたいと思っています。

妊娠中は、なぜ太る?どこに原因があるの?

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妊婦さんの悩み‥‥‥

 

それは、ずばり体重!!!という方は、多いのではないでしょうか?

 

実際、妊婦さんに推奨されている体重増加の目安は、妊娠前の体重からBMI(Body Mass Index)を計算し、そのBMIの数値によって推奨体重増加量が決まります。

 

BMI = 妊娠前の体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m

 

BMI : 18.5 痩せているので、9~12kgが推奨体重増加量

      18.5以上25.0未満は、ふつうなので、 7~12kg

      25.0以上は肥満なので、個別対応 になっています。

 

赤ちゃんは約3kg、胎盤約500g、羊水約500cc、妊娠によって増加する子宮、乳房や血液量、皮下脂肪で約3~4kgなので、7~8kgの体重増加であれば十分です。

 

では、なぜ太ってはいけないのでしょうか?

 

急激な体重増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などになりやすくなります。

 

産道の内側に脂肪がつくと、赤ちゃんの通り道が狭くなり、栄養を摂取しるぎることによって、赤ちゃんが大きくなりすぎると、難産になりやすくなります。

 

体重コントロールすることは、本当に大切なことです。

 

たまに「全然食べてないのに増える。空気しか食べてない。」と冗談交じりにおっしゃる妊婦さんがいらっしゃいますが、妊娠すると身に付きやすくはなります。

 

そういう時は、食事内容、カロリーの高いものを食べていないか。

できたら、和食の方がカロリーは抑えられ、野菜も摂ることができます。

食事時間は、食べる時間が遅くなっていないか。

最低でも、就寝3時間前までには食べ終わりましょう。

規則的に3食食べているか。

2食にすると、脂肪を蓄えないとと体が認識してしまい、かえって体重増えたりします。

これらは、普通のダイエットでも言われていることなので、ご存知だと思います。

 

ここで、気をつけてもらいたいことは、体重増加の数値ばかりに気にし過ぎてしまい、ストレスになり、妊婦生活を楽しめない方もいます。

 

なぜ、気をつけているのに、体重が増えるのだろう‥‥

 

東洋医学の視点では、『めぐりのよい体』、「気(=生命エネルギー)」「血(=血液だけでなく体をめぐって栄養を与える働きのこと)」「水(=血液以外のリンパ液などの体液)」のバランスを考えます。

 

東洋医学で重要視するのは、肥満そのものより、なぜ体重が増えたかということです。

妊娠中は基礎代謝が上がるので、必要以上に食べなければそれほど体重が増えないはずです。

 

食べないのに体重が増えていくのは、代謝が下がっているか、あるいは『よぶんな水分』が増えてしまったためか、などが考えられます。

 

 代謝が悪くなる原因のひとつに、胃腸の消化・吸収力が衰えているケースがあります。食べた物をきちんと消化・吸収できず、排泄もできないと、飲食物の成れの果てが、よぶんな水分や脂肪に変わり、体に蓄積するということが起こります。

『めぐり』のよい体にするために、消化のよい栄養のあるものを腹八分目に食べるようにしたり、体を冷やさないようにしたり、適度な運動をするようにする必要があります。

 

それと、気をつけたいのが、あまりにもストイックになりすぎて、体重が増えないことによるリスクもあります。

赤ちゃんへの栄養が足らなくたってしまい、小さく生まれてしまうと、将来、肥満になりやすく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まるという報告もあります。

また、お母さんの体力不足のために、出産や産後のエネルギー不足になる可能性もあります。

 

妊娠中の体つくりはとても大切なので、体重の数字ばかりにとらわれるのではなく、自分の体と向き合い、体の機能を高めることについて考えてもらえればと思います。

 

お読みいただいて、ありがとうございました。