妊娠中の虫歯や歯周病。甘く考えたら大変なことになりますよ!!
いくつになっても歯の治療は、苦手な人が多いかもしれません。
しかし、虫歯や歯周病の治療をしないと、大変なことになります!
妊娠中は、エストロゲンという女性ホルモンが増えることで、エストロゲンを好む「プレボテラ・インターメディア」という歯周病を起こす細菌が口の中に増えます。
また、ホルモンバランスが崩れると、唾液の分泌が少なくなります。
唾液には、食べカスを洗い流したり、唾液中に含まれる抗菌物質で歯周病菌などの細菌の増殖を予防する働きがあるので、唾液の分泌が減ってしまうと歯周病菌の増殖を促してしまうことにもなります。
そして、つわりのために歯磨きが以前のようにできなくなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなってしまいます。
歯周病を患うことで、低出生体重児(2500g未満)や早産のリスクが7倍になると言われています。
お産の時にプロスタグランジンという物質が分泌され、子宮の収縮を促しますが、妊婦が歯周病になると、歯周組織の破壊が通常よりも速いスピードで進行します。
歯周病患部から細菌や炎症性物質のサイトカインなどが血管の中に入り込み、血流によって子宮まで運ばれます。
炎症を抑えるためにプロスタグランジンが分泌され子宮の収縮を引き起こしやすい状態になり、早産に繋がることが判明しています。
口の中の細菌が子宮まで運ばれて悪さをするなんて、本当に怖いですよね。
それと、妊娠中だけでなく、歯周病は全身の病気に罹る危険性を高めることが知られています。
脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの心臓血管疾患や、糖尿病の悪化、気管支炎、肺炎、さらに肥満やメタボリックシンドロームとの関連も報告されています。
歯周病は、日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っています。
大切な歯が抜けないようにすること、そして、健康でいるために、歯のメンテナンスは日頃から意識していきたいですね。
妊娠中に虫歯を治療しておかないと、赤ちゃんに虫歯菌をうつす可能性があります。
虫歯は、ミュータンス菌によって引き起こされますが、赤ちゃんにはミュータンス菌が存在しません。
虫歯がある人との食器の共有や、かわいいからといってキスなどのコミュニケーションをとったりしているうちに菌がうつり、歯が生えたあとに虫歯になるケースがほとんどです。
つわりの時期は、歯磨き粉で吐き気を催したりするので、食後でなくてもよいので、気分の良い時にマイルドな味の歯磨き粉を使用したり、ブラッシングだけでもするようにしましょう。
また、キシリトールを噛むことはお勧めです。
キシリトールは、虫歯の元となる「酸」を作らない甘味料で、さらに歯周病菌や虫歯菌の塊である歯垢(プラーク)の生成を阻害し、キシリトール自身の爽やかな甘味が唾液の分泌を促してくれます。
そして、安定期(妊娠16週)になったら、歯科検診に行きましょう。
母子手帳にも記録してもらえるようになっています。
妊娠していても、局所麻酔などは使えますし、抗生物質や痛み止めの薬も産科の先生と相談すれば、内服もできます。
赤ちゃんが生まれると、外出することが難しくなりますので、妊娠中にぜひ治しておいてくださいね。