先天性風疹症候群がゼロになる日本へ
先天性風疹症候群という言葉は、聞いたことがありますか?
妊娠初期に風疹にかかると、風疹ウイルスは血液を介して、お腹の赤ちゃんにも感染します。
風疹ウイルスが胎児の細胞分裂を抑制し、破壊する作用を持つために生じると考えられています。
三大症状は、難聴、白内障、先天性心疾患で、他にも網膜症や発達遅延などの多岐にわたります。
私は、以前大学病院のNICUで働いていたことがあるのですが、先天性風疹症候群と聞くといつもその時のことを思い出します。
普通に産まれた少し小さめの赤ちゃんでした。
最初にみつかったのは、心臓の病気がありそうだということで、精密検査をしていきました。
そして、難聴などがあり、白内障のため眼球も白く、生れてから数週間経ってから、医師より先天性風疹症候群であることが家族に告げられました。
お母さんは、妊娠初期に風疹にかかった記憶がないと言っていました。
風疹は、感染していても15~30%は症状がでないので、感染に気付かないケースもあります。
それから、白内障の手術を受けていて、明るいお母さんで懸命に子育てに励んでいましたが、やはりいろいろな葛藤があったと思います。
私自身、なんとも言えない気持ちになりました。
防げる病気なのになぁ…と胸が痛みました。
風疹に罹りやすいのは、30代から50代の男性です。
1962年度から1978年までの間に生まれた男性は、子どもの頃にワクチン接種を受けていない空白世代となっています。
この男性たちが、知らない間に風疹にかかってしまい、風疹を妊婦に感染させてしまうことが問題となっています。
風疹は、ワクチンで防げる病気です。
無料抗体検査のクーポンが、届いたらぜひ抗体検査を受けてください。
ワクチンも市町村で補助があると思います。
健康な赤ちゃんのため、お母さんのために‥‥
お読みいただきありがとうございました。