助産師のほんわかブログ

日々感じていることや考え方、仕事のことなど、前向きになって、ほんわかできるようなブログにしたいと思っています。

虐待を受けるとストレスホルモンが放出します。体の影響は?②

前回は、虐待によって、脳が萎縮してしまうというお話でした。

 

今回は、最近虐待のニュースが流れていると「胸腺の萎縮」というキーワードがでてくるので、それについてお話したいと思います。

 

まず、免疫について少し整理しておきましょう。

 

免疫は、体の外部からの侵入者である抗原(細菌やウイルスなど)に対して、免疫細胞などが『自分(自己)』と『自分でないもの(非自己)』を識別して、体を守る仕組みです。

 

免疫細胞は、顆粒球、マクロファージ、樹状細胞、リンパ球(T細胞とB細胞)などです。

顆粒球、T細胞、B細胞は血液中を流れていて、まとめて白血球とよんでいます。

免疫細胞は、赤血球や血小板とは見た目も働きも全く違いますが、同じ血液細胞の仲間で、これらはすべてが同じ造血幹細胞からつくられます。

 

免疫細胞はどこでつくられるのでしょうか?

 

造血幹細胞は胎児の時は肝臓に、生まれてからは骨髄にあります。

顆粒球とB細胞は、造血幹細胞のいる臓器でつくられ、つまり、胎児期は肝臓で、生まれてからは骨髄でつくられます。

 

一方、T細胞だけは、胎児期も生まれてからも胸腺で作られ、T細胞の分化、成熟が繰り返されます。

胸腺は、T細胞を作るためだけにあるといってもよい臓器で、心臓の少し上にあって、子ども頃に一番大きくなり、思春期以後年齢とともに小さくなります。

T細胞は、キラーT細胞に指令を送ったり、B細胞の抗体産生を誘導したりするなど、免疫の司令塔としての役割を果たします。

 

この免疫の維持、活性に重要な役割を果たす胸腺は、低栄養状態、ストレスによって副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールが放出されると、胸腺・リンパ腺は委縮してしまいます。

(胸腺は、他の臓器に比べて酸化ストレスに対する感受性が非常に高いようです。)

そして、感染症にかかりやすくなったり、病気になりやすくなります。

 

胸腺の委縮は、繰り返し虐待をうけた子どもにみられる特徴です。

 

虐待のニュースが流れ、胸腺が委縮していたと聞くと、どれだけ長い期間ストレスをうけていたのだろうと感じて、心が張り裂けそうな気持ちになります。

 

虐待がない、子どもたちが安全に暮らせる日本になってほしいです。

 

ほんわかブログですが、内容はほんわかしていないですね。

すみません。

 

お読みいただきありがとうございました。