お産の時の声かけ
助産師のブログなのに、全然仕事のことを書いていないので、お産の時の声かけについて、考えたいと思います。
陣痛って、本当にしんどくて辛い。
あとどれぐらいで産まれるかわかったのなら、頑張れるけど、出産は最後の最後まで何が起こるかわからないので、明確にはできない。
そういう時に励ます言葉って、本当に難しいなぁと思います。
それと、出産の主人公は、当たり前だけれど産む人なので、助産師はできるだけ全力でサポートする。
「ドゥーラ」という言葉をご存知でしょうか?
ギリシャ語で、「出産する女性を支える経験のある女性」という意味で、出産の時には経験ある女性がそばにいることで、産む人は不安が軽減されます。
では、私たちたちに何が必要とされているか。
もちろん無事に出産が終えられるように、異常がないように注意深く観察し、対処していくことは、もちろんですが、どうしたら、信頼関係を築き、いいお産だったと思えるようにするか。
まず、そばに付き添うことが大切です。
一人になると、痛みも不安も増強されます。
そして、陣痛の時には腰が痛くなるので、腰をさすりますが、さすり方にもポイントがあります。
触り方で、心がこもってないかわかるんですよね。
陣痛の進行具合によって、痛みの場所は変化しますので、確認しながらさするのがいいか、押すのがいいか確認して、温もりのある手で触ること。
これは、ご主人にも伝えます。
そして、今回のテーマですが、陣痛が長くなればなる程、めげてしまうし、諦めたくなるし、嫌になり、自暴自棄にもなってしまいます。
そういう時にどんな声をかけるべきか‥‥
もう少しで産まれそうならば、「もう少しだから頑張って」と言えますが、まだまだの時はどうするか‥‥
お産の進行状態を説明して、納得してもらうことです。
なぜこれほどの時間が必要なのか、なぜこの痛みが必要なのか。
そして、今までの産婦さんの頑張りを褒めたたえることが一番大切だと思います。
きっとここまで頑張れたあなたなら、大丈夫。産めるはずだから、一緒に頑張りましょうと。一人じゃないですよと。
そして、助産師と産婦さんは対等な関係なので、上から目線で、「叫んではダメ」とかいう言葉は言わないほうがいいですね。
出産の時に怒られてしまうと、あとでいいお産と思えなくなるからです。
痛みの対処方法は、人によって違います。
呼吸に集中できて楽になる人、叫ぶほうがスッキリする人。
人それぞれです。
別に叫んでもいいし、好きなようにしてくれていいですよ。
そして、少しでも落ち着けるようにアドバイスしていきます。
私たち助産師は、どんなあなたも受け入れるから大丈夫。
そういう気持ちでいつも望んでいます。
私たち助産師は、産むのは代われないけれど、いつも寄り添いそばにいるということを言葉と態度で示すことが大切だと思っています。
神聖な出産の場に立ち会える仕事。
少しでもいいお産だったと思ってもらえるように、これからも精進していこうと思います。